
8月13日(土曜日、晴れ)
今日から建治さんの夏休み。今年の夏は、いつにも増して蒸し暑い。「東京の夏は暑い!」と言って、夏場は絶対により着かなかった軽井沢に住む両親を、今年は呼び寄せることにした。駅に着いたとの電話をもらって迎えにいくと、あまりの暑さに思いっきり不機嫌な顔。家までの道のり中、止まらない汗を拭いながらぶつぶつ文句を言っていた。家について玄関のドアを開けると、ひんやりとした空気が汗ばんだ体を心地よく包む。高気密設計の玄関ドアを閉めると、外の熱気がうそのようだ。「涼しいね。でも、あんまりきつい冷房は苦手だよ」と、当惑したような顔をする母。これでも冷房は最低限なのだというと、疑わしそうにリビングのソファに腰をおろした。すっかり汗も引き、走り回る孫を目を細めて見守っていた父が、ふと思いついたように言った。「この家の空気は、軽井沢みたいだね」。キンキンに冷えた冷房の風とは違う、ひんやりと心地よい自然な空気がそう思わせたのだろう。1 | 2