11月9日(水曜日、晴れ)

寝室には、母から譲り受けた古い桐箪笥が置いてある。使い込んで傷だらけになり、変色していたものを再生して新品同様にしてもらったものだ。削り出されて顔を出した桐本来のやさしい色合いには、スウェーデンパイン製室内ドアの明るい色がよく似合う。これから同じ空間で同じ時を刻んでいくうちに、よりいっそう、風景になじんでいくのだろう。最近の日本の住宅は持って23年と言われるそうだが、我が家の建材の故郷、スウェーデンでは100年住める家も珍しくないという。そのため、スウェーデン製の建材も長く使うことを前提に作られている。変化の激しい時代だからこそ、子供には変らないもの、長く使い続けることでしか分からないものの良さを、伝えていきたいと思う。今日、3本のろうそくを吹き消し、ひとつ大人になった雄太。その小さな手には、一番のお気に入りのおもちゃ、私が子供の時にお父さんが作ってくれた、竹とんぼがしっかりと握られていた。

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