工務店の方へ(特に地場密着の方へ)
プロ主導の家づくりで施主様を正しく導く。
大抵の施主様にとって「家づくり」は初めての経験です。多くの夢と希望を抱き、その道のプロである工務店様の門を叩きます。
最初で最後の「家づくり」、その「夢と希望」が雑多な「要望」として工務店様にぶつけられます。
それらが叶えられるか否かは最終的に「予算」が決定し全てを取入れることはありません。
では、「何を捨て、何を採るか」。
プロである工務店様には、素人である施主様を間違った家づくりに導かないように先導するという職務があります。
そしてお施主様もそれを望んでいます。正しい知識を持ち、正しく施主様を導いておられる工務店様が、
施主様から「プロ」として頼られている事例が全国に何社もあることが実証しています。
施主様が選んではいけない部分。
建物の引渡後、施主様は長期ローンと付き合っていくことになります。
地場密着で展開している工務店様は、その建物と施主様に何十年もお付き合いしていく事となります。
強度(耐震性)、温熱環境(気密、断熱、暖房、換気)という住宅性能に関する部分は、「施主様が選んだことだから責任は取らない!」
というわけにはいきません。
「安全な暮らし・快適な暮らし」を支えるコアな部分はプロである工務店様の選択される部分です。
また、流行という経年変化に耐えられない間違った個性を持った住宅は、「飽き」に繋がり、結果的に施主様を不幸にします。
その土地にあった普遍的な住宅のデザインが景観をつくり、やがて街並をつくります。
長期的な視点で提案することが施主様への「本物の」提案であると考えます。
建てた後・・・を考えられない施主様のために。
施主様が建築会社を選ぶ選定基準は「価格」と「デザイン」です。
これは、ヨーロッパでも日本でも変わりません。
しかしヨーロッパでは住宅性能が高いというのは当たり前というベースがあります
(EU圏内の住宅は2019年にゼロエネルギー住宅が建築基準法となるほど)。
それに対し、日本の省エネルギー基準は中途半端な状態であり、「省エネルギー義務」というのは建築基準法では定められておりません。
(現在は省エネ義務化の方向への骨子案が提示された段階)
省エネルギー化はランニングコストに直結することは周知の事実ですが、大抵の施主様は、賃貸を借りているのとほとんど変わらない金額で住宅を購入できる事を一番とし、引渡後の光熱費の部分はあまり考慮されていません。
賃貸の小さい空間から、戸建の大きい空間に移行すれば、おのずと光熱費は増えてしまうという「建てた後のこと」まで考えられていません。
工務店様のプロとしての知識を持って「建てた後のこと」を施主様に説明してください。
温熱環境のバリアフリー化
先進国の中で一番、住宅の冷暖房に対するエネルギー使用量が少ないのは日本です。
住宅の光熱費における60%以上を占める冷暖房・給湯費等は、先進国ではすでにかなりの省エネ国となっています。
これは、「我慢する」という日本文化が生んだものであると言われています。
熱ロスの多い家でも、我慢すれば光熱費は抑えられるという事を昔から先人に教わってきた事が可能にしています。
しかし、我慢すればよいという考えが、ヒートショックという悲惨な事故を生んでいるのも事実です。
冬季における住宅内の温度差で亡くなる方はかなり多いという統計が出ています。
予算の関係で減額調整が行われ、温熱環境器機が削られる前に工務店様には「温熱環境のバリアフリー化」を
重要視することの大切さをご理解頂き、そのことをわかりやすく施主様に伝えるプロであってほしいと願います。